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自動見積の源流オンデマンド印刷で起こったこと

ホームページ上から印刷物を注文すると、指定の場所に印刷物が納品されるオンデマンド印刷は、自動見積の源流といえます。オンデマンド印刷は、印刷業界に革命的な変化をもたらしたといわれています。実際、何が起きたのでしょうか。
作業工程を激変させたオンデマンド印刷
印刷物を初めての業者に注文するというのは、少々厄介です。
例えば、会社の封筒を注文するとします。まず、封筒の形状を指定しなければなりません。形状もいろいろあって、サイズのほか、紙の厚み、紙質、色など一つ一つ決めなければなりません。それから、封筒に印刷する社名やロゴ、住所、電話番号など。それからそういったものの位置、使用フォントと大きさ・色。そんなこんなをあらかじめデザインした版下と呼ばれる印刷用原稿を作らなければなりません。
以前は、印刷業者の営業担当者に来てもらうか、こちらから印刷業者に出向くかして、封筒の形状を決め、図面等を渡して版下を作ってもらっていました。それだと、当然、時間もかかり、コストもかかります。
これが封筒でなく、何ページにもわたるパンフレットやカタログになると、さらに、行ったり来たりの回数が増え、余計にコストがかかります。
オンデマンド印刷では、こうした物理的な行き来をやめ、納品以外すべてネット上で完結させるようにしました。
つまり、営業担当者が顧客との間を行き来する必要がなくなり、版下も予め用意されたテンプレートを使って、発注者側が作るために、印刷業者のデザイナーも版下チェックして、印刷に回すだけで済むようになりした。
作業工程が変わることにより、印刷業者側の作業が劇的に効率化し、納期短縮、コスト削減が実現しました。
当然、コスト削減は印刷料金に反映されます。
従来の印刷とオンデマンド印刷とでは、納期のみならず、価格に大きな差が生じるようになりました。
だからといって、もちろん、すべての発注者がオンデマンド印刷に切り替わったわけではありません。
一言声をかければ、営業担当者が駆けつけてくれ、印刷業務に慣れていない発注者を細かいところまでサポートし、しっかりとした印刷物に仕上げてくれる従来型の印刷業者を利用する発注者はまだまだたくさんいます。ですが、そんな発注者も、オンデマンド印刷の料金を調べられるわけで、その料金を引き合いに出して価格交渉をしようとする人もいるそうです。
「ネットの価格を持ち出されたって・・・」
知り合いの印刷屋さんの営業マンがぼやいていました。
商材ごとに専門化するオンデマンド印刷
最近の印刷業界の主戦場は、従来型印刷 対 オンデマンド印刷ではなく、オンデマンド印刷同士のようです。
試しに、Google検索で「印刷」を検索してみます。
検索結果(約 617,000,000 件)トップ10件として、大手オンデマンド企業も出てきますが、無名のオンデマンド企業や地元の印刷屋さんが出てくるのではないでしょうか?
このページをこのままにして、もう1枚ブラウザを立ち上げます。
つぎに「印刷」+「封筒」で検索してみます。
検索結果(約 19,600,000 件)トップ10件中、前の「印刷」とかぶる業者は何件ありましたか?
筆者の場合、検索結果10件中かぶったのは2件だけでした。
「印刷」+「封筒」の10件は、すべてタイトルに「封筒印刷」という語を含んでいるか、「封筒」「印刷」のどちらのキーワードも含んでいます。しかもほとんどすべてがオンデマンド印刷です。逆にいえば、「印刷」「封筒」のどちらしかないページは、トップ10に入れません。結果として、封筒印刷専門のオンデマンド印刷業者がピックアップされたように見えます。
Google検索は、ホームページのタイトルを検索するのではなく、内容を解析して、検索語との関連があれば、そうしたページをすべてヒットさせます。そのうえで、検索語と関連性の深いページから順に並べて表示します。
つまり、タイトルに「印刷」「封筒」のどちらかしかなくても、内容的に「封筒印刷」も扱う業者なら該当しているはずです。印刷業者なら輪転機等印刷設備はあるので、あとは封筒と版下があれば、たいてい封筒の印刷はできます。だから該当ページは多いはずです。だからこそ、タイトルであえて「封筒印刷」とうたい、専門性をアピールしないと、トップ10に入れないのです。
トップ10に入るのはすごいことですが、これで終わりではありません。一緒に並んでいる他社に競り勝って、受注を獲得しなければなりません。
印刷業者の場合、紙は紙問屋等から仕入れるので、予め各種封筒を大量に仕入れることで価格競争力をつけることができます。
封筒印刷で起きたことが、名刺印刷、チラシ印刷など、個別の商材に広がっています。
オンデマンド印刷の落とし穴
オンデマンド印刷に限らず、印刷物の出来不出来は、完璧な版下を入稿できるかがポイントです。
版下に不備があった場合、印刷段階では修正できないため、そのまま不良品が印刷されてしまいます。
オンデマンド印刷では、とくに発注者側が版下を作ることになっているため、不良品が発生しやすいのです。
数年前、同人誌を作るために、同人誌専門のオンデマンド印刷を利用した人がいました。その人は、ノンブル(ページ付け)を間違えたまま入稿したため、落丁が生じてしまい、印刷物が売り物にならなくなりました。
その件で、発注者は、オンデマンド印刷業者が版下チェックをした際に、ノンブルの不備を見落としたのは業者側の落ち度だとして、返金を求めましたが、業者は逆に、完全原稿を入稿しなかった発注者側に責任があるとして、返金には応じませんでした。
そのため、発注者はネット上でそのオンデマンド業者を告発しましたが、ネットでは、完全原稿で入稿しなかったほうが悪いという論調が主流でした。
完璧な版下を作るというのは、かなり修練が必要な作業です。
版下作成用ソフトに習熟しているのはもちろんのこと、自分でも版下をプリントしてゲラをつくり、製本までしなければ、細かいミスを発見することはできないしょう。
しかし発注者は、たいてい版下づくりには不慣れな人です。そこまで手間をかけるべきということを知らないでしょう。たとえ、手間をかけて見直しをしても、すべてのミスを防ぐことはできないかもしれません。
印刷業者なら、そうした発注者側の状況は想像がつくはずです。
完全原稿入稿をルールとして契約を交わし、不良品の責任を回避できたとしても、それでいいのでしょうか?
版下づくりに不慣れな人でも、安心してオンデマンド印刷を発注できるように、極力ミスを発見・修正できるしくみを提供すべきではないでしょうか?
発注者のミスをカバーするしくみ
オンデマンド印刷における完全原稿の問題は、自動見積システムを構築するうえで、非常に重要なポイントとなります。
案件のなかには、発注者側から提出された資料を基に、作製する場合があります。つまり、発注者側から資料の質が製品の出来を左右する案件です。
そうした場合、不良品ができたときの責任を発注者側に負わせるのは簡単なことです。しかし専門業者であるからには、発注者とともにいいモノを作ろうという気概を示すべきです。ならば、予想できるミスを列挙し、それらを回避・修正するしくみを考え、自動見積システムに組み入れる必要があります。
まとめ
自動見積の源流であるオンデマンド印刷では、印刷作業工程が大幅に簡略化したため、コストダウンと納期の短縮が可能になり、従来型の印刷業者に打撃を与えています。のみならず、商材ごとに特化したオンデマンド印刷が現れ、価格競争が激化しています。
しかし、オンデマンド印刷では、発注者が完璧な版下を作ることが前提となっているため、不良品が生じるリスクが大きいといえます。
自動見積システムを構築する場合、発注者のミスによる不良品が予想される場合は、できるだけミスを回避・修正するしくみを自動見積に組み入れる必要があります。