B2Bサイトはスマホ対応不要は、ほんとうか

トップイメージ:B2Bサイトはスマホ対応不要、はほんとうか

B2Bとは、Business to Business のことで、企業対企業の事業のことを指します。対企業向け事業を展開する企業の中には、製品の性質上、クライアント企業もパソコンユーザーに限られる場合があります。そのうえ、自社サイトへのアクセスが勤務時間内に集中するといった傾向があったりすると、わが社のサイトはスマホ対応にする必要はないと結論付けたりします。はたして、その考え方は正しいのでしょうか?

情報収集ツールとしてのスマホ

スマホ対応必要なしと考えるB2B企業の中枢を担う人々は、自分でもパソコンを使いこなせたりします。そういう人の目から見ると、スマホは処理能力の低い、ビジネス用途では使いにくいデバイスに見えるようです。

確かに、パソコンのキーボードの利用に慣れた人には、スマホで文章を書くのさえ不便に感じるでしょう。確かにクリエイティブな用途には向かないという面はあります。(スマホでクリエイティブな動画を撮ったり、素晴らしいセッションを見事に録音する人もいますが、それはあくまでも例外。)
しかし一方、スマホはインターネット上の情報を収集するにはとても便利です。思い立った時、どこにいても、スマホを取り出して、音声検索をすれば、簡単に情報を収集することができます。
パソコンの場合は、そうはいきません。
まず、パソコンがインターネットにつながっていなければなりません。それからパソコンが立ち上がっていなければなりません。インターネットで何かを調べたいと思ったとき、パソコンがすぐそばにあっても、立ち上げなければならないとしたら、これを億劫に感じる人は多いのです。

インターネット利用は スマホ > パソコン

「インターネットを利用するならスマホ」で、という指向が強いことは、総務省の『令和2年版情報通信白書』が示しています。

2019年のインターネット利用率(個人)は89.8%となっている(図表略)。また、端末別のインターネット利用率は、「スマートフォン」(63.3%)が「パソコン」(50.4%)を12.9ポイント上回っている。(図表略)。 令和2年版情報通信白書 (2)インターネットの利用状況

企業のパソコンユーザー前提の製品であっても、その製品について情報収集をしたいと思ったとき、あるいは製品を提供する会社についてももっと知りたいと思ったとき、企業サイトにアクセスするデバイスがスマホである可能性は大いにあります。そんなとき、目的にWebサイトがパソコンにしか対応していなかったら、どうでしょうか。

スマホは、パソコン向けのWebサイトでも一応表示はしてくれます。しかしスマホの特性を考えずに作っているので、狭い画面が画像やテキストが押し込まれ、ごちゃごちゃしている印象を受けます。かろうじて見出しが読めることもありますが、本文に至っては、小さすぎて読めませんし、画像の端が切れてしまったりします。
パソコン向けサイトは、スマホではとても使い勝手が悪いのです。

両刀遣いは、スマホを好む

Line の調査では、インターネットの「スマホ」利用はさらに多く92%、それに対して「パソコン」は41%、「スマホ」「パソコン」の両刀遣いは38%です。ということは「スマホのみ」が54%、「パソコンのみ」は3%です。

グラフ:アクティブなネット利用者の実態
日常的にインターネットを利用する環境は、「スマホのみ」が54%と、調査開始からはじめて5割を超える
・ 「スマホ」でのインターネット利用者は全体の92%。対して「PC」での利用者は41%。
・ 「スマホのみ」の利用者は54%、「スマホとPC」の併用者は38%、「PCのみ」の利用者は3%。
・ 構成比としての最多は「スマホのみ」での利用者で、5割を上回った。

スマホ非対応のWebサイトは、インターネット利用者の4割にしか訴求できないといえます。
Webサイトのターゲットを絞り、コンテンツを考えるのはマーケティング上有効ですが、ターゲットの利用端末を限定することは、いかなる利益をもたらしません。

現在は、オンラインショッピングはもとより、株取引も、納税も、街角の店での支払いも、スマホでできる時代です。情報収集だってスマホでネット検索するのが当たり前、という感覚のスマホ・ファーストが幅を利かせつつあります。
ですから、アクセスしたWebサイトがスマホに対応していない場合、スマホ・ファーストの人は後日、パソコンでアクセスし直してくれるなどという甘い考えは捨てるべきでしょう。

以前、スマホ非対応のサイトでスマホ対応にした途端、スマホからのアクセスが急増し、パソコンからのアクセスが激減するという現象に遭遇したことがあります。
パソコンとスマホの両刀遣いは、スマホ非対応のサイトにしぶしぶパソコンでアクセスしていたのであって、スマホにも対応するのであれば、喜んでスマホに持ち替えるのです。

スマホ非対応のサイトに、昼間の勤務時間にアクセスが集中するのは、「仕事は家庭に持ち込まない」というユーザーの志向を示しているように見えますが、それよりも、家にパソコンがなく、会社や学校でなければ、パソコンが使えないという人たちがアクセスしていると捉えるべきでしょう。
つまり、アクセスが昼間に集中することはユーザーの志向が原因ではなく、スマホ非対応サイトが生んだ結果といえます。
さらにいえば、スマホにも対応したサイトならば、ユーザーのアクセスする時間帯は分散し、より多くのPV(preview)を獲得できる可能性を示唆しているとも考えられます。

以上のことを考え合わせると、ビジネスユースの製品だから、パソコンユーザー前提だからといって、自社サイトまで非スマホ対応のままにしておくのは、スマホで情報収集する人を事実上排除することになり、ビジネスチャンスを潰してしまうことになります。

あらゆるチャンスを仕事につなげたいと思うのであれば、いかなる業態でもスマホ対応は必須といえます。

「しかし、うちの製品はスマホでは使えないのだから」
という反論は根強いでしょう。
製品がスマホで使えなくてもいいのです。
スマホでアクセスする人は、情報収集のためにアクセスしているのであって、製品がスマホで使えるかどうかは問題ではないのです。

スマホ対応はレスポンシブデザインで

スマホ対応のWebサイトを制作するには、次の2通りのやり方があります。

A. スマホ専用サイトを別に作る。
B. レスポンシブデザインを採用する。

Aのスマホ専用サイトは、サーバ側でユーザーの端末を選別し、それぞれの端末用のWebサイトを表示します。ですから、同じコンテンツのWebサイトを複数用意する必要があります。

Bのレスポンシブデザインとは、ユーザーのデバイスの画面サイズに合わせて、デザインを変える方法で、コンテンツはパソコン/スマホ同一のものを作ります。

お勧めはBのレスポンシブデザインです。
Googleが推奨しているからというだけでなく、レスポンシブデザインはコンテンツの制作が1つで済むので制作費が安く、メンテナンスも1つのファイルを触るだけで済むので効率的だからです。

まとめ

インターネットの「スマホ」利用者が拡大し、「パソコン」利用者を上回るようになりました。しかも「パソコン」利用者のほとんどが「スマホとの両刀遣い」です。「スマホのみ」は年々増え5割強になりました。「インターネット利用はスマホで」という状況を踏まえるならば、たとえパソコンユーザー前提のB2Bビジネスであっても、Webサイトはスマホにも対応し、情報発信すべきといえます。

著者紹介

管理人
津田頼子 Tsuda Yoriko

Webデザイナー&フロントエンドエンジニア。
有限会社デジタルエイド代表。

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